『Deep Clear』(小花美穂)

そいえば先月と先々月、少女漫画誌の「Cookie」を買いました。目的は小花美穂氏の『Deep Clear』前後編。これ、氏のデビュー20周年記念作品で、今連載中の『Honey Bitter』と昔のヒット作『こどものおもちゃ』のコラボなんですよね。(『Honey Bitter』の世界に、成長した『こどちゃ』キャラが登場するという展開)
『こどちゃ』好きだったんですよ〜。私はアニメから入った口ですが、その後原作も読んで惚れ込み、番外編の『水の館』まで合わせて全巻買い集めました。ハイテンション重視なアニメも、シリアス寄りな原作も、どっちも凄く好き。
なので、知人のtwitterでこのコラボの情報を聞いた時にはびっくり&大喜び。速攻、雑誌を買いに走りました。
 
で、前後編通して読み終えた感想ですが――ネタバレなので折りたたみますね。
 
やー、よかったです♪
正直、昔好きだった作品の続編や後日談って、時々ファンとして「描かずにおいて欲しかった……orz」と思うこともあるので、ちょっと不安だったんですが、この作品に関してはそれは完全に杞憂でした。
前編におまけでついてた小花氏のインタビューによると、今回のエピソードは『こどちゃ』の連載が終わる頃に既に考えておられたそうで、「なるほど」とうなずいてしまいました。確かに今回のお話は、紗南と羽山が親しくなる最初のきっかけだった羽山の出生問題の完結編という印象ですね。当時は「子供」ならではの突撃力とシンクロニティで解決した紗南だけど、今回は「母」という立場からの実感と実績をもって説得してのけた感じ。このお話をもって、本当の意味で『こどものおもちゃ』は完結したんだと思えました。ほんと、紗南ちゃん、成長したなぁ。
 
それでいて紗南ちゃんが、私の好きだった紗南ちゃんのままだったのも嬉しかったですね〜。前編で初登場した瞬間に「ああ、紗南ちゃんだ……♪」と声あげてしまいました。すっかり綺麗になって、でも、主人公の珠里ちゃんが読む心の中がもういちいち紗南ちゃんらしいもんだから、読んでるこちらがにやけてしまう。個人的に「高級なダンゴ」と「ホル子」と「覚えてろヨ」のとこが、いかにも紗南ちゃんらしくてお気に入りです。
後、羽山も良かったなぁ。前編は髪が伸びて前髪分けてたのと接客モードだったのとであんまり羽山っぽく感じなかったんですが、後編はもうバリバリに羽山そのもの。珠里ちゃんと会話するところのぶっきらぼうっぷりで「ああ、羽山だ……」とこれまたにやけたり。鍼灸マッサージ師(兼空手の先生)になったというのも、『こどちゃ』後半のエピソードをふまえてる感じで、ファン的には嬉しかったです。出産へのトラウマ、今回の件で払拭できたのかな? この分なら、2人目、3人目もいずれできそうだし、その頃にはパパとして板についてくるんですかね〜。
 
その他のキャラもちょこちょこその後の姿を見せてくれてましたね。玲くんの変わらなさっぷりには噴きました。マジで『こどちゃ』当時とまったく変化無いし、この人。まぁ、当時がそもそも20代にしては落ち着いた容貌だったからなぁ。羽山父は順当に歳くってて……ママのまろちゃんは3代目かー。そうそう、剛くんがえらく爽やかなイケメンになっててびっくり。直澄くんの出番が無かったのは残念だけど、ストーリーの流れ的に仕方ないかな。(風花の台詞からすると)俳優として活躍中らしいので、良かった良かった。
 
 
というわけで、大満足の番外編でした。『Honey Bitter』の方は未読だけど、いずれ機会があったら読んでみたいです。
しかし……作中にはついに出てこなかったけど、今の紗南ちゃんは羽山のことをなんて呼んでるんだろう?(「羽山」だと自分もそうだし、「秋人」と呼ぶ紗南ちゃんは想像つきにくいし……)