『ワイルドバンチ』鑑賞

数年前にHDレコーダーを導入して以来、興味のある映画や番組はとりあえず録り溜めておき、暇な休日に夫婦揃って観る……というパターンが定番になってきてます。
で、今日の午後、「今日は2人とも家に居るし、録画した映画でも消化しようか」と録画リストを眺め、旦那が候補に挙げてきたのが『俺たちに明日はない』と『ワイルドバンチ』。前者のラストはちょっとヘヴィだし、観るなら心の準備ができてる時がいいなーと思い、どんな映画かよく知らずに後者をリクエストしました…………ら。(以下ネタバレ有)
 
――しまった。
これ、『俺たちに明日はない』と同パターンの……というか、ある意味さらにバイオレンスな映画じゃないか(笑)。
 
いやぁ、血が飛ぶ飛ぶ。ラストはもちろん、冒頭の銃撃戦からしていきなり街の人々が巻き込まれて死ぬ死ぬ。初っぱなからこれだけ死者の出まくる西部劇は初めて観ました。まぁ、主人公がそもそも正義のガンマンなどではなく、強盗団という「悪党」にカテゴライズされる存在だしなぁ。
 
でも、面白かったです。途中までは「これ、どういうエンディングに落とすのかなぁ」と思いつつ観てたんですが、終盤に入って「ああ……」と納得しました。そうか、そういうお話だったのね。
ラストの、主人公の"Let's go"という言葉に仲間が"Why not?"と返すやりとりが、4人が横一列に並んで歩いて行くシーンが、めちゃくちゃかっこよかった。そこが死地であるとわかっていて、それでも行く。いや、死地「だからこそ」行ったのかもしれません。自分たち無法者が生きられる時代は終わりつつある、それを肌で感じているからこそ、彼らは自らの人生の幕引きの場としてあの場所を選んだのかもしれないと、そんな気がしました。主人公の昔の仲間だった賞金稼ぎのリーダー、あの人って、主人公の死、そして彼らの時代の終焉を看取る役だったんですね。
それでいて、哀しい、寂しいだけで終わらせてないのがちょっと嬉しかったり。たまたま怪我で別行動になってた仲間のお爺さんがしっかり生き残ってくれてて、賞金稼ぎのリーダーに「自分はまだこいつら(=革命軍)と暴れるつもりだ、一緒にやろう」と声をかける……形は違うけど仲間と違う道を歩いて生き延びてしまった者同士、新しい時代の中に居場所を見つけて生きていこうとする、そんな逞しさを感じました。(しかもそれを、登場キャラ最年長のお爺さんが言い出すのがナイス♪)
 

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